記録:開腹手術と義父と私と
こんばんは。
店主嫁のまりえです。
なんか、二週間で世間はすごい状態になってるなー。
春節の頃にけんじがコロナ広まったらまじで嫌だなーっていってたけど、こんなことになってるとは思わんかったやろなー。
さて、手術中のことと、その付近の義父から私への意思確認について、私の気持ちもついでに話しますかね。
手術内容は原発巣(大腸右半結腸)切除のための開腹手術でした。
けんじの癌は大腸と肝臓、膀胱あたりに播種があって、大腸の癌がギリギリ胃まで到達してなくて、なんとか原発巣が取れるっていう状態でした。
大腸癌の手術で調べると腹腔鏡手術とかも出てきますが、まぁそんなレベルではなかったということです。鳩尾からヘソ下までザクッといって、場合によってはストーマ(人工肛門)になる可能性もある。
手術前に、開けた次第でストーマつけますから、先に買っといてくださいねー。っていう説明。なんというか、動揺するポイントをどこに持ってけばいいのかってくらいサラッと説明受けます。後、手術後は腸の癒着を防ぐために、できれば早く歩いてくださいね。と唾とかで誤嚥しないようにするために呼吸の方法などを教えてもらいました。
彼はきちんと教えてもらったことは手術直前まで練習してました。優秀な患者です。
本当にナメてかかると大変なのできちんと練習することは大切なんだな。って手術後に見てて思ったので、手術前の方がそばにいらっしゃる方は一緒に練習しよう!と声かけてあげるといいと思います。
昼くらいに奴を見送って、私は一人で病院の食堂でわかめうどんを食べた気がします。食欲はなかったですが、見てるこっちも体力勝負なのできちんと食べることをお勧めします。
予定された手術時間は4時間。
義父と手術室前のソファで待機です。私たちの他にも3組?いたはず。
不安、希望、願い、怒り、疑問、祈り、全ての感情を抑えながらただひたすら手術が無事でありますようにと祈り続けるあの空間はなんとも言えない。
時間が長いこと。
ここまでの道のりは距離は長いがダッシュで駆け抜けてきて。あいつが麻酔で眠らされてて少し、こっちも気が緩んで今までのことを振り返る瞬間でもあって。
義父と二人でポツポツ話し、黙り、ポツポツ話し、他の患者さんの家族が呼ばれ、今か今かと陽が傾く中で待ち続けました。
その時だったかその前だったか、その後だったかあんまり覚えてないけども。
義父にけんじと別れるか否かという話をしました。
それこそ、私たちはただ付き合っていたというだけで、結婚についてはまだどちらの両親にも挨拶に行っていない状態。お互いが結婚しようね。と言っていただけの宙ぶらりんな時にけんじの病気が見つかりました。
話を切り出された時、あぁこれがドラマで見る二人が引き裂かれるか否かの感動のシーンだなぁと思いながら話を聞いてました笑
お義父さん真剣だったのにこんなことを考えててごめんなさい笑
こんなことを思えるくらいには、別れる気はさらさらなくて、あいつがいなくなったとしてもあいつが生きてるうちに離れることなんてありえない。それこそ、離れたら一生後悔する。
ということをきちんとお伝えしました。
親という立場からしたら、とてもとても複雑な顔をされましたし、とても苦しい顔をされていたのが印象的でした。悩んだだろうなぁ。
私が今後、親になる可能性は低くなってしまったので、けんじや私の両親の気持ちを知ることは難しいでしょう。
時に、親の気持ちを考えたら、、、っていういろんな人の言葉にたっっっっっくさん聞きました。本当に。みみだこ。まじで。うん。
けどさ、人の気持ちを考えて自分の意見を変えるくらいなら、もう別れてるよ。
いっときの感情でこんな重たいことには向き合えない。
この時、私は私の両親からお前は、まだ子供だからわかるわけない。って言われたりした。じゃあ、こんな状況にあなたは今までの人生なったことあるの?って聞き返したかった。
脱線しましたね。
こんな感じで、綺麗なことばかりじゃないです。いろんな人の複雑な気持ち、身近な人たちへの怒り、葛藤、今でもこの時のことを思い出すとぐちゃぐちゃになります。
もし、周りに私みたいな人がいるなら、自分の気持ちを伝える前に、当事者の言葉を黙って、空っぽになるまで聞いてください。
あと、話したくなったらいつでも話し聞くから!は結構話しづらいです笑
どうしたー?大丈夫かー?大変よなー。って突っ込んでくれる方がありがたい人もいます。
まあ人によるので一概には言えませんが。参考程度に。
”あなたのために””あなたの幸せを思って”は、その人のことを思うあなたの幸せであり、”私の周りでね”はあなたの周りでしかない。
優しさで言ってくれることは理解できるし、ありがたく感じますが、たまに受け付けない事もあります。そんな自分に嫌気がさす事もあります。難しいですよね。
まぁこんなことをこの時期にはよく思っていました。
なっっっっっがい手術時間を終え、呼ばれ、先生にストーマなしで、原発巣取れました。というお話が15分くらいあって、ICUに呼ばれる前に義父と二人でソファに文字通り、崩れ落ちました。ほっとして、これからも不安で、ほっとしてほっとして。
ICUに行ったらアルミホイルみたいなので包まれて至る所からチューブに繋がれ、痛みで苦しむけんじがいました。
結構あの人、穏やかな人で人に怒鳴るなんて本当にないんですけど、痛すぎでブチギレてましたね笑
お義父さんがどこが痛い?って聞いたら”はい、か、いいえで答えられる質問にしろ!うるさい!黙れ!”ってはっきり叫びながら言いました。ぶっちゃけ笑えました。
こんだけ話せてせん妄もなく意識もはっきりしとれば大丈夫だわー。と思いました笑
さすが強い。
手術前に習った呼吸法を一緒にやってやると、一緒にやり始め、私の息が顔に当たって気持ちいいって言ってたなぁ。かわいいなぁほんと。
一緒におりたかったけど、その日は帰ってきたのを見届けて帰りました。
次の日の朝はLINEし出勤し、再び病院へ。
もうその日のうちにICUを一周歩き、普通病棟に移り2周歩き、私に歩くところをしっかり見せてくれました。
本当に頑張ってくれました。
さすがけんじ!!頑張ってくれてありがとう!