小療理屋~こんだ~

2018年12月、25歳で大腸がんステージⅣと宣告されました。料理が好きなのでブログ名は小料理屋とかけました(笑)。前向きな闘病記にしたいです!

Another story~お通夜

こんばんは。

店主の嫁のまりえです。

 

お通夜の日のこと

朝起きて、けんじが黄泉の国に出かけるための旅支度。

お弁当は味噌入りおにぎり。

ちゃんとおいしいものを用意しなきゃと朝から釜でご飯を2回炊いて、家にある3種類のお味噌を入れました。

あの人、塩むすびおにぎり好きやったんよなぁ。たまに朝ごはんでおにぎり作ってやるとすっごい嬉しそうにしてたの思い出しながら握った。

どうしても同じものを食べたくて、私の分も握ってけんじの横で食べました。個人的には赤味噌がお勧めです。愛知県民らしく笑

それ以外に4つ味噌おにぎりが残ったからお母さんお父さんお兄さんにあげようと思ってて、一個余るなぁと思っていたらおばあちゃまもおうちに来てくださることになって。

おばあちゃまの分もちゃんと用意してくれたのね。とあいつは本当にいろいろ用意周到だなあと。

みんなで同じものを食べれて嬉しかった。

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炊き出し

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味噌入りおにぎり

 

昼前にお家を出発。

次に帰ってくる時にはお骨の状態なんだなぁと思って、あいつがちゃんと隣にいたってことを残したかったからお布団を並べて寝てるところの写真をとった。

会館が実家の近くだったから、途中までいつも2人で通ってた道を通る。

もう2人でこの道をドライブできないんだなって少し涙が出た。

 

会館に着いて、最後に体を綺麗にしてあげるために湯灌をした。

普通であれば、家族はあんまり立ち会わないらしいんだけど、特別に立ち会わせてもらえたし、一緒に洗わせてもらえてとても嬉しかった。

お風呂大好きだから気持ちよかったやろうなーって、今写真見返しても気持ちよさそうな顔してたから手伝えてよかったな。

棺に納める前に最後に触れた。

いつもけんじより私の方が手の温度が冷たいのに、いつもと反対で。

けど、手の柔らかさはいつもと同じで、いつもマッサージしてくれて私を癒してくれた手だった。

いっぱいこき使ってごめんね!癒してくれてありがとう。

 

棺に納める時に一つハプニングがあって、身長大きくて棺のサイズがギリギリだった笑

みんな若干焦るっていう。。最後まで笑わせてくれるじゃないか。

本当になんなのよあんた笑

 

お通夜が始まる前に、みんなで作ったものを飾り、けんじに一言書いてもらおうと思っていろいろ準備した。

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けんじへの一言募集とあいつの写真展

式が始まる前に、続々と人がやってくる。

たくさんの人が泣きそうな、信じられないって顔をして。

 

親戚の人とはそこで、初めまして嫁になりました。まりえですって挨拶した。

お見舞いに来てくれた人、この一年で出会った人たち、大学で共に過ごした人たち、そこで初めて出会う人も。

本当に多くのひとがけんじのことを偲んでくれて、慈しんでくれて、愛されてるなぁって実感して、あの人の妻になれたことを誇りに思った。

 

白かった部屋が、たくさんの人によって黒く埋め尽くされた。

スケッチブックに一言書くために、多くの人が並んでくれて、駐車場は入れなくて近くの小学校まで、外まで人が溢れて、交友関係がとっっっっっっても広いことは知っていたけど、ここまでかよってちょっと慄いた笑

 

夜中まで人の波はひかず、たくさんの人が来てくれた。

とーーってもうれしかった。

誰だったか、これはフェスだって言ってくれた。

たくさんの人を楽しませることが好きな人だから、最高の褒め言葉だなって。

ちゃんと私は私の役割を果たせてよかったなって思った。

ちゃんと褒めてよ。ね。